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ビオガーデンとは?

※この記事は「日本ビオトープ協会サイト」からの引用です。

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 「ビオガーデン」という新たな名称についてですが、ビオはBIOの独話読みで、生物を意味する言葉です。

英語ではバイオと読みます。バイオロジー(生物学)、バイオテクノロジー(生物工学)のように用いられます。したがって、ビオガーデンという名前は正しくはバイオガーデンと呼ぶべきなのですが、わが国では

バイオ=生物工学の意味で用いられています。バイオガーテンというと、生物工学の展示場と受けとられる可能性があります。そこで、いささか不自然ですが、この名称をとることにしました。ビオガーデンは直訳すれぱ「生物庭園」ということになりますが、「自然の要素をとり入れた庭園」という意味で使いたいと思います。「自然の要素」というと、野生動植物や、それらの構成する生態系(エコシステム)を想像します。それならばエコ(ロジカル)ガーデンのほうがよさそうですが、じつは純粋に自然生態系の場をめざすものとしてビオトープがあります。このビオトープとの関連性を意識して、あえてビオガーデンとしたのです。つまり、ビオガーデンは「ビオトープ的庭園」という意味をも含んでいます。

 町の中の小公園、道路や小川の法面、路地の緑、そして家庭の庭など、一つ一つの面積はごく狭くても、その総体としてはかなりの面積となります。これらの場所をエコアップし点と点が結ばれれば、野生生物の生態回廊となり野生の生きものが呼び戻ってきます。

 現在、このような場所の多くは、コンクリートで固められたり、決まりきった樹木や園芸品種として改良された草花が植え込まれ、人の手によって完全に管理されています。人にとっての美観や管理の効率性を考えると、栽培法が確立し美しく改良された入手しやすい庭木類や園芸品種がこのような場所の主役になることはやむをえないことでしょう。しかし、私たちは、人がそれらの場所を多少なりとも野生の生きものに譲り、野生の生きものがすみやすい自然の生物要素を加えてゆくことができたらと願っています。野生の生きものは、私たちと同様に、その場所をすみかとし、餌を確保し繁殖し子孫をのこそうと懸命に生きているからです。

 多くの方々が必ずしも野生生物を嫌い、敵対しているわけではありません。たとえば自然に生える植物を雑草と呼び根こそぎ除草してしまうのは、その生態や扱い方がわからないために、やむなく全面的に排除し人工的品種のみを育ててしまうではないでしょうか。

 このような身近な場所に野生の生きものを呼び戻し、できるだけビオトープに近づけてゆく「ビオガーデン」のつくり方は、いままでの造園や園芸の方法に、ビオトープの考え方や方法を取り入れた庭づくりで、より強い自然志向の方々のための、一般の家庭でも実現可能な最小限のビオトープづくりといえましょう。

杉山恵一「ビオガーデン入門」野性を呼び戻す(農文協)より

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